スクールレポート
#放課後の大濠 <第5回> 第1グラウンドの誘惑
中高共通2025(令和7)年9月15日
土、砂、トラック、広い更地......そんなイメージではないだろうか。
だが、我らが大濠高校の第1グラウンドは、少し違う。
それは、人工芝だ。
茶色ではなく、鮮やかな緑色。
アリや、よく分からない羽虫などの虫もいない
まばらな長さの雑草もない。
雨上がりでもすぐに地面は乾く。
服に砂がつく心配をする必要なんかない。
そのままグラウンドに寝転がることだってできる。
初めてのグラウンドでの体育の時間。
補強運動で腹筋をするために、私は人工芝に寝転がった。
するとどうだろう。
柔らかな春風と上から差し込む陽射し。
温められた人工芝の、背中に伝わる温もりと、なんとも言えない柔らかな感触。
この全てを一身に感じた時に、思わず目を閉じ、夢の中へ誘われて行きそうだった。
体育祭の日もそうだ。
スタンドの裏で、顔に帽子を乗せてリラックスしながら横たわる生徒たち。
夏一歩手前の強い日差しと、湿気をおびた生暖かい風。
天日干しした布団のような香りのする人工芝。
私もついつい、ブロック団の仕事を忘れて昼寝したくなった。
冬の人工芝も格別だ。
私が持久走でゴールを切るのは、いつも最後。
息を切らしながら最後の一周を走り終え、ひんやりとした人工芝の上に倒れ込む。
火照った体に、冬の弱い陽射しと風が、ご褒美のように思える。
仰向けになって肺いっぱいに冬の空気を吸い込む。
呼吸が落ち着くと、まぶたが重くなってくる。
つまり、大濠高校の第1グラウンドには最高な環境が整っているのだ。
そんな生活を3年間も続けてしまった私は、もう砂のグラウンドに戻れない。
一方、第2グラウンドは砂地。
風が強い日は砂埃が舞い、走っただけで靴の中には砂が入る。
あそこでは、寝転がろうとは思わない。
人工芝の心地良さを知ってしまったら、もう砂のグラウンドには戻れない。
気になったあなたには、ぜひ一度、人工芝に寝転がってみてほしい。
あなたのグラウンド人生が、きっと変わる。
人工芝、最高。
(高校3年 文芸部)
本校第1グラウンドの360度映像はこちらからご覧いただけます。