スクールレポート

中学土曜講座④

10月25日(土)に、本校第一体育館で講師に 北九州市立大学基盤教育センターひびきの分室 准教授 アン・クレシーニさんをお招きし、「アンちゃんと学ぼう、言葉と世界観」という題目でご講演いただきました。

アンさんは、まず初めに「今日は楽しいトークショーにしましょう」と仰り、会場は一気にリラックスした雰囲気に変わりました。その後、和製英語の例を挙げながら、その魅力をお話しいただきました。和製英語は、日本教育の英語の土台があるからこそ誕生するというお話はとても印象的で、マイバックを例とした和製英語は、わかりにくい英語の概念(例 代名詞の規則: my bag, your bag, her bag...)をよりわかりやすく簡単にするために作られたと仰っていました。他にも、○○る(例 バグる、リムる、ディスる...)などの英単語に「る」を追加して新しい動詞を作るといった若者言葉にも触れられ、生徒たちも身近な和製英語の面白さに興味津々な様子でした。

また、アンさんのご経験から「言葉と世界観」についてお話しいただきました。日本語の「いただきます」という言葉は、命に感謝する、生産者に感謝する、運んでくれた人に感謝する、作ってくれた人に感謝するという世界観を含んでいることを知り、またその世界観が「日本の食べ物のオノマトペが多いこと」、「学校給食が世界トップレベルであること」に表れていると仰っていました。個人的には、「日本人はいつも食べ物の話をしている!」という内容が面白かったです。考えてみれば、学食の○○が美味しいとか、テレビでも福岡の飲食店が特集されていたりとか... 生徒たちも「たしかに。」と改めて知る日本人の文化と世界観に納得している様子でした。

最後に、「海外」って何?、「日本人」って何?というテーマでディスカッションが行われました。アンさんは、日本にはいろんな人種の人がいて、日本人や外国人と線引きをしなくてもよいのではないかと語りかけられました。日本は柔軟でよい国であり、これからもすべての人が生きやすい国であってほしいと願うとも仰っていました。そのためには、友人や大人、他人を「理解する」こと、また「理解しようとする」ことが大切であり、もしかしたら自分も間違っているかもしれない、正解はいつもあるわけではないかもしれないと考えてみて欲しいと語りかけられました。

学生とSNSとの向き合い方は、大人が追い付けないようなスピードで年々変化しています。学生にとってもこの「理解」をもってSNSを楽しむことが大切だと思いますし、大人も学生に対して「理解」の姿勢をもってコミュニケーションをとることが必要だと気づかされました。

アンさんのご体験から言葉の面白さや大切さを学ぶ貴重な機会になりました。生徒たちもアンさんのストレートな言葉の数々を忘れずに生活してくれることを願います。

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